rotary dial

 急増するインパネのスイッチ数を減らす切り札がセンター・コンソールに配置した手のひらサイズの回転ダイヤルだ。

 ドイツBMW社はドライバーが運転に集中できるようにするためのインタフェース「iDrive」を「5/6/7シリーズ」で導入している。このiDriveで採用した回転ダイヤルの特徴は,コントローラ単体に「回転」「プッシュ」「スライド」の3種類の動作を持たせたことだ(図1)。さらにコントローラ内部にモータを組み込み,メニュー操作に応じてドライバーに振動や反力を伝えるようにした。ドライバーはメニュー選択時にコントローラから伝わる振動や反力で,メニューのどの位置にいるのかが分かり,直感的な操作が可能になる。

 このiDriveのコントローラ部には,アルプス電気と米Immersion社が開発した技術「ハプティックコマンダ」が組み込まれている。Immersion社の振動アルゴリズムを基にしてアルプス電気がモータを振動させる技術として開発したものだという。

 BMW以外にも,ドイツAudi社は「ロータリーボタン」,ホンダは「プログレッシブコマンダー」などの呼称で回転ダイヤルを導入している。Audiは「A8」に搭載した「MMI」と呼ぶマルチメディア・インタフェースに採用し,カーナビやオーディオだけでなく,車高やサスペンションの強度調整といったシステム設定にも利用している。これに対し,ホンダが2003年10月に発売した3代目「オデッセイ」で採用した回転ダイヤルは,もっぱらカーナビの制御だけに絞っている。

BMW7シリーズのiDriveコントローラ
図1●BMW7シリーズのiDriveコントローラ