in-car camera

 車載カメラの応用は大きく3種類ある。赤外線カメラ,視界補助カメラ,そして画像認識カメラである(図1)。

 最近特に注目を集めているのが夜間に使う赤外線カメラで,目に見えない光を照射して反射光を見る近赤外線カメラと,人体など発熱体を検知する遠赤外線カメラの2種類がある。両者は機能や活用法が異なる。

 視角補助用のカメラは,最近のボディ・サイズが大きいクルマでは1台で複数個を搭載することも多い。トヨタ自動車のSUV「ハリアー」は,前方と助手席側の死角表示用,後方用の3個を備える。

 国土交通省は2005年1月から大型のクルマに対して新しい法規制を実施した。「車両の左側側面と前面で直径30cm,高さ1mのポールを動かしたときに,ドライバーはポールの一部を確認できる必要がある」というもの。日産自動車が2004年9月に発売したSUV「ムラーノ」の「サイドブラインドモニター」はこの規制を先取りしたもの。

 車載カメラは,画像認識機能を持たせることで,視角補助以外への用途が広がる。2004年までは視角補助を中心として車両の前方と前側方,後方などへの応用が目立ったが,2005年以降は画像処理機能を使った車室内や後側方でのカメラ利用が進む見通し。室内では,シートに座っているかどうかの確認,ドライバーの目線を監視することで脇見運転に注意を促すシステムなどが考えられている。

車載カメラの3つの用途
図1 車載カメラの3つの用途