SiO2より比誘電率が低い材料の総称。SiO2の比誘電率は,結晶である石英の場合で4.2,プラズマCVD(chemical vapor deposition)法で作ったものは3.8程度である。このため,4.0弱より誘電率の低い材料を一般にlow-k 材料(低誘電率層間絶縁膜)と呼ぶ。

 配線間の容量を減らすために用いる。配線間の容量は,絶縁膜の比誘電率と配線の面積に比例し,配線の間隔に反比例する。微細化によって配線の面積は小さくなるが配線の間隔が狭くなるため,結果として配線間の容量は増加する。微細化を進める時に動作速度を落とさないためには,low-k の導入によって容量を減らす必要がある。

 low-k には多くの種類がある。それぞれ加工性,耐熱性,強度などに違いがあるため,半導体メーカー各社の戦略によって選択する材料が分かれている。代表的なlow-k の例としては,富士通などが開発するポーラス型の「ナノクラスタリングシリカ(NCS: Nano Clustering Silica)」がある(関連の発表資料)。