advanced safety vehicle

 自動車の運転者を支援するための各種センサやコンピュータ,操作系を装備することで,交通事故を低減できる自動車の呼称の1つ。具体的には,障害物への衝突防止支援,車間距離の確保,車線逸脱防止といった運転支援システムなどを搭載する。ASVを実現するには車載カメラやミリ波レーダ,画像処理LSIといったエレクトロニクス技術が求められる。

 1991年から国土交通省(当時の運輸省)が中心となり,国内外の自動車メーカーが参加してASVの研究開発を行う同名のプロジェクトが立ち上がった。1991年度~1995年度の第1期(ASV-1),1996年度~2000年度の第2期(ASV-2)に続き,現在は3期目(ASV-3)である。

 ASV-3の特徴は,事故を回避するために車車間通信を利用すること。クルマとクルマの間で位置情報や速度情報などをやりとりすることで,衝突の危険を回避する。従来のカメラやレーダによる事故防止システムよりも早期に車両の接近を検出し,事故を未然に防ぐ効果が高まると期待する。

 ただし,車車間通信を使った事故回避システムについては,多くの自動車や2輪車に装着されなければ効果が出にくい。このため,インフラ整備や法整備を含めた検討が必要になる。国土交通省は第3期ASV計画の成果を2008年に実用化する目標を掲げており,車車間通信に対する整備が今後大きく動き出しそうだ。