electronic manufacturing service

 電子機器の製造や設計を担うサービスのこと。1980年代までは受諾製造(CM:contract Manufacturing)サービスと呼ばれていた。当時の受託製造サービス企業はプリント配線基板への部品実装(ボード・アセンブリ)を主体とする。顧客である電子機器メーカーの発注に応じて基板を量産する。新しい実装技術を開発するのは電子機器メーカーであり,受託製造サービス企業は技術開発の担い手ではなかった。

 これに対して現在のEMS企業は,従来と比べて手掛ける領域が大きく広がった。主力であるボード・アセンブリ事業に加え,量産前試作や基板設計,筐体設計,試験,保守,修理,電子部品調達なども請け負う。LSI設計を請け負うEMS企業すらある。また大手のEMS企業は,Pbフリーのハンダ付け技術や高密度実装技術の開発チームを抱える。

 代表的なEMS企業には,シンガポールFlextronics Corp.,米Solectron Corp.,米Sanmina-SCI Corp.などがある。2000年にソニーがSolectron社に製造子会社を売却したのを皮切りに,2001年から2003年にかけて幾つかの日本メーカーが大手EMS企業に国内の製造拠点を譲り渡している。