LTCCは低温同時焼成セラミックスのこと。従来のアルミナを主成分としたセラミック多層基板では1500℃の「高温」で焼成する必要があった。これに対してアルミナにガラス系材質を加えることで900℃程度以下の「低温」で焼成することを可能としたセラミック多層技術である。これにより融点の低いCuやAgを使った回路パターンを基板内部に作り込んだものを,同時に焼成して一体化一体化することが可能になる。誘電率や膜厚の異なる薄膜を積層することで,コンデンサの容量やインダクタの特性を制御している。

 内部配線に使用して,高容量のコンデンサやQ値の高いインダクタなどの複数の機能を基板内に同時に作り込むことで基板の小型化が図れる。電子部品の高周波帯域化や小型化などに対応するためのパッケージ,基板材料として注目されている。一般にLTCCは焼成時に収縮するが,平面方向に無収縮をうたう技術が多数登場している。