digital transmission content protection over internet protocol

 IEEE 1394などのデジタル・インタフェースに実装されていたコンテンツ保護規格のDTCPをIPネットワーク上に展開するもの。DTCPのライセンスを提供する米Digital Transmission Licensing Administrator,LLC(DTLA社)は,DTCP-IPの仕様を策定する前にコンテンツ業界へのヒアリングを実施した。DTLA社によると,コンテンツ業界が要求したのは,(1)保護されるコンテンツへの匿名の無線通信による接続の問題を解決すること,(2)保護されるコンテンツの家庭内ネットワークを超えた伝送を防ぐこと,などだった。こうした要求に応えるため,DTCP-IPではDTCPの仕様の一部を変更した。

 DTCPには「完全認証」だけでなく「制限認証」を用意しており,送信側の機器が制限認証にしか対応していない場合は,受信側の機器が不正な機器でないかを確認する手順を踏まなかった。そこでDTCP-IPでは必ず完全認証を使用することとした。もう1つが,仮に通信パケットを盗聴された場合でも解読が困難になるように,暗号化/復号化に使う鍵を長くしたこと。DTCPでは鍵長56ビットのM6を標準の暗号化方式としていたが,DTC-IPでは鍵長128ビットのAES(advanced encryption standard)を標準とした。

 2005年2月28日には,新バージョンの「DTCP-IP version 1.1」が公開された。RTT(round trip time:1つの通信パケットが送信元から送信先まで行き,再び送信元に戻ってくるまでに要する時間)について7msに制限した。このバージョンの詳しい内容はこちら

表 DTCP-IPと既存のDTCPとの主な違い
2004年5月10日号より抜粋)DTCP-IPと既存のDTCPとの主な違い

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