gigabit ethernet-passive optical network

 光ファイバを使った加入宅へのアクセス回線として最大1Gビット/秒の伝送を実現するGビットEthernetの名称。PON(passive optical network)は,1本の光ファイバ回線を途中で分岐して複数の加入者宅に引き込むもので,アクセス網の途中で電源が不要の分岐装置(スプリッタ)を挿入する。現行の最大100Mビット/秒のFTTHサービスで利用されているのがB-PONであり,最大1Gビット/秒クラスを実現できるものにはGE-PONに加えて,B-PONをベースに高速化したG-PONがある(表)。

 GE-PONとB-PONとの最大の違いは伝送形式にある。B-PONは,ATM(asynchronous transfer mode)を使うのに対して,GE-PONはEthernetのフレームをそのまま利用する。以前はATMが基幹ネットワークの主流だったため,アクセス回線もATMである方が合理的だった。ところが最近,NTTグループを含めて基幹ネットワークであってもATMを使わなくなってきている。この結果EthernetをわざわざATMに変換する意味が薄れているため,1Gビット/秒のFTTHサービスの実現手段としてGE-PONが有力になっている。

表 光ファイバを複数のユーザーで共有するPON方式の種類
このほかに,NTT独自仕様の「STM-PON」,各メーカーが独自仕様として用いている「E-PON」がある。(2004年3月29日号より抜粋) 光ファイバを複数のユーザーで共有するPON方式の種類