2014年11月に開催した日経BP社主催セミナー「半導体ストレージサミット2014~エンタープライズ分野の主役に躍り出たフラッシュメモリー~」から、HGSTジャパンSSDソリューション営業部 シニア・ディレクターである五味 俊治氏の講演を、日経BP半導体リサーチがまとめた。今回はサーバーサイドフラッシュの優位性やユーザーにおける活用事例を解説する。(日経BP半導体リサーチ)

※ 本講演の内容は2014年11月時点の事実に基づいています。

 Server SANで今後重要になるのは「NVMe(non-volatile memory express)」規格のフラッシュである。NVMeのServer SANには、HHHL(half hight/half length)とSFF(small form factor)の2タイプがある。SFFの見た目は2.5インチのディスクであり、サーバーベンダーはサーバー前面から10枚ぐらい入れられるタイプを作っている。我々が2015年春に投入する「Ultrastar SN100」は最大3.2Tバイトと、大きな容量を持つ。10枚入れると32Tバイト、さらにそれを積み上げると100Tバイトぐらいになる。プール化するソフトウエアをそれに組み合わせると、ストレージアレイは要らなくなる。

 オールフラッシュのストレージアレイは一般に、PCIeではなくSASのインターフェースを使って接続したフラッシュを20~30枚並べて高速化している。オールフラッシュアレイにはコストパフォーマンスを売りとする製品とハイエンド製品がある。例えば10Tバイトで40万IOPS(input output per second)という仕様であれば、安いもので1500万円ぐらい、高いものだと2500万円ぐらいが大体の相場である。これに対して、FlashMAX IIは2.2Tバイトで34万IOPSである。34万IOPSが10個並ぶと、とてつもないパフォーマンスになることが想像できるだろう。

 つまり、オールフラッシュアレイがServer SANのフラッシュに敵(かな)うわけがないのである。しかも、SFFという形態であればフロントローディングに加えて、サーバーを稼働させたまま抜き差しできるため、運用が非常に楽になる。出荷数が増えれば、価格も安くなる。

出典:HGSTジャパン講演資料(以下同)
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