メガソーラーと蓄電池を導入する鉱山の道路標識(出所:juwi社)
メガソーラーと蓄電池を導入する鉱山の道路標識(出所:juwi社)
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 ドイツの再生可能エネルギー開発事業者であるjuwi社は7月15日、オーストラリアの鉱山に、出力10.6MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)と出力6MWの蓄電池システムを設置すると発表した。

 DeGrussaにある金銅鉱山内のオフグリッド型(独立型)の電力網に組み込む。鉱山を運営するSandfire Resources社は、オーストラリアにおける中堅の鉱業会社である。

 鉱山内の電力網では、これまで出力19MWのディーゼル発電設備を電源としてきた。出力10.6MWのメガソーラーが加わることで、鉱山内の電力網としては、世界最大規模の太陽光・ディーゼル発電のハイブリッド発電所になるとしている。

 開発資金として、オーストラリアの再生可能エネルギー庁(Australian Renewable Energy Agency)が2090万ドルを貸し、6年後から返済が始まる。残りのプロジェクト資金は、オーストラリアClean Energy Finance社、フランスNeoen社が提供する。

 juwi社によると、再生可能エネルギー発電電力の低コスト化によって、鉱山内を始めとする世界の多くの独立型の電力網において、従来の化石燃料による発電電力に対して、競争力を発揮できるようになってきた。

 設置する鉱山は、西オーストラリアの州都であるパースから、北に900km離れた場所にある。20ha以上の敷地に、3万4080枚の太陽光パネルを並べる。2016年初に試運転を開始する。

 太陽光発電システムは、1軸追尾型を採用した。蓄電池を併設することで、日中の余剰電力を貯め、太陽光発電の利用を最大化する。この運用によって、ディーゼル発電設備の燃料消費量を、従来に比べて20%以上削減できるとしている。

 同社にとって、オーストラリアにおける初の大型プロジェクトになるという。EPC(設計・調達・施工)サービスとともに、O&M(運用・保守)まで担う。パースの建設会社であるOTOC Australia社が太陽光発電システムの設置を担当する。

 juwi社は2014年に、オーストラリアの鉱山・電力関連企業であるQi Power社の主要株主となっていた。