IoT向けゲートウエー装置やマイクロサーバーといったハードウエアを開発してきた「ぷらっとホーム」(本社:東京都)が、IoTの通信向けソフトウエアに進出した。ブランド名を「Plat’Data Processing」とし、第1弾製品を2015年6月に発表した(ニュースリリース)。製品開発の意図などを同社に聞いた。
「センサーと無線通信機能を備えたIoTのエッジ機器を多数設置して、いわゆるビッグデータを手元のPCに集めたものの、その先、どうしていいのか分からない」という声が少なくない。Plat’Data Processingの開発に携わった、ぷらっとホームの松下享平氏はこう言う。そこで、集めたデータをクラウドやサーバーに送ることの支援を狙って、Plat’Data Processingを開発した。クラウドやサーバーでは、データを処理解析するアプリケーションが稼働する。
「IoTではエッジ機器、およびクラウドやサーバー上のアプリのGUIは、実際に見る機会が多く、分かりやすい。しかし、エッジ機器とクラウドやサーバーを結ぶ通信やネットワークを直接、目にする人は少ない。このためか、そこを経由してデータを送る/受け取るプロセスをどう進めたら良いかでつまづくケースが多い」(同氏)。ネットワークや通信技術の詳細を知らなくても、エッジ機器とクラウドやサーバー間でのデータのやりとりを行えるようにするのが、Plat’Data Processingだという。
松下氏によれば、Plat’Data Processingは「ビッグデータ」と呼べる規模のデータを扱うIoTシステムに対応できるとする。同社が行った実験においては、同時接続数1万セッション/インスタンスでは、問題なく(接続エラーなし)データを送ることができた。セッション/インスタンス数はゲートウエー装置数に等しく、ゲートウエー1台当たり20~30のセンサー(エッジ機器)を接続できるため、20万~30万センサーの規模のIoTシステムを扱えることになる。