太陽光パネルの価格推移(出所:経済産業省)
太陽光パネルの価格推移(出所:経済産業省)
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太陽光発電設備の運転開始率(出所:経済産業省)
太陽光発電設備の運転開始率(出所:経済産業省)
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 経済産業省が6月24日に開催した新エネルギー小委員会で、太陽光パネル単価の推移を公表した。それによると、2013年3月から4月にかけ、1kW当たり30万円前後から、約1万円、なかには約5万円下落していることがわかったという。

 同省は、発電事業者に対して、実績ベースでの太陽光発電システムの導入費用に関し、報告を求めており、今回のデータは、この内容を集計・分析したもの。3月から4月に固定価格買取制度(FIT)の買取価格が低下することが背景と考えられ、こうした傾向は、毎年、3月から4月に見られるという。

 ひと月の間に、実際に太陽光パネルの価格が低下したとは考えにくいことから、「現実の市場では、買取価格の水準に合わせて、パネル価格が決定されている可能性がある」(経産省)と分析している。こうしたデータは、今後、買取価格のさらなる引き下げの根拠になる可能性がある。

 また、同日の委員会では、太陽光発電設備の運転開始率(認定設備のうち実際に稼働した割合)についても、規模別、地域別の集計データを公表した。それによると、2012年度の設備認定は、10kW未満と50~1000kWでは概ね認定量の約90%という高い運転開始率に達している一方、10~50kW未満は60~70%、1000kW以上は20~30%という低い運転開始率にとどまっていることがわかった。特に、指定電気事業者に指定された地域で開始率が低い傾向がある。

 2013年度の設備認定は、10kW未満で概ね認定量の90%に近い高い運転開始率の一方、10kW以上では、全体的に低い開始率になっている。

 経産省は、1000kW以上の大規模案件の開始が遅れていることは当然としつつ、2012年度の10~50kW未満の運転開始率が低いことを問題視している。今後、こうした規模での滞留案件に対しても、何らかの対応を打つことを示唆した。