ハイブリッド蓄電システムの概要(出所:田淵電機)
ハイブリッド蓄電システムの概要(出所:田淵電機)
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ネットゼロエネルギーハウスの実現に向けた効果を検証(出所:田淵電機)
ネットゼロエネルギーハウスの実現に向けた効果を検証(出所:田淵電機)
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 田淵電機は6月24日、太陽光発電の制御と蓄電機能を統合した「ハイブリッド蓄電システム EIBS(アイビス)」の国内販売を開始すると発表した。7月1日に受注を開始した。

 蓄電池対応のハイブリッド型のパワーコンディショナー(PCS)と専用蓄電池ユニットを組み合わせた住宅向けのシステムで、停電時には蓄電池から電力を供給し、テレビや冷蔵庫などを一定時間、使用できるようになる。

 蓄電池の容量は9.89kWh、PCSの出力は5.5kWで、満充電の状態から照明器具、冷蔵庫、テレビ、通信機器を3日程度、利用できるという。

 平常時には、割安な深夜料金を契約することにより、ピークシフト運転によって、電力使用料を削減できる。

 太陽光発電電力を充電しながら、家庭内の機器に電力を供給する、また、太陽光発電と蓄電池の電力を併せて家庭内の機器に供給するといった使い方によって、より電気を有効に利用できるとしている。

 太陽光発電システムと蓄電システムを組み合わせて使う場合、別々のPCSで制御する場合もある。

 これに対して、今回のシステムでは、1台のPCSで太陽光発電と蓄電池に対応できるようにした。太陽光発電と蓄電池は直流で繋がっており、交流に変換せずに充電できる。

 これによって、変換ロスが少ない利点もある。「マルチストリング技術」と呼ぶPCSの技術によって実現した。

 今回のシステムは、日本に先駆けて、5月に北米で販売を開始していた。

 米国の太陽光発電の導入率が高い地域では、日没時に太陽光発電の出力がなくなり、需給バランスが大きく変わり、相対的に電力需要が急激に高まるため、蓄電池を併用して出力変動を緩和することが求められている。こうした需要に向けて、北米で先行販売した。

 また、ネットゼロエネルギーハウス(年間のエネルギー収支をトントンにできる住宅)の需要にも対応できるという。

 米国の住宅において、日常生活における売電・買電、および、蓄電・放電のデータを集約し、ネットゼロエネルギーハウスの実現に向けた効果を検証している。