今回の新製品 ルネサスのデータ。
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RXマイコンのロードマップと新製品(中央の赤丸) ルネサスのデータ。
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新製品の特徴 ルネサスのスライド。
新製品の特徴 ルネサスのスライド。
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消費電力量を大幅削減 ルネサスのスライド。
消費電力量を大幅削減 ルネサスのスライド。
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 ルネサス エレクトロニクスは、32ビットマイコンの新製品「RX231グループ」を発表した(ニュースリリース)。電池駆動など電流供給能力の低い環境で、重い負荷の処理を短時間で実行する必要のある産業向け各種検知センサーや、ヘルスケア機器などに最適だという。

 低消費電力技術と第2世代の独自32ビットCISCコア「RXv2」によって、業界トップクラスの電力効率を達成したことが新製品の第1の特徴だとする。同社によれば、産業向けの検知センサーやヘルスケア機器は、電池からの電流供給能力が低いにもかかわらず、信号計測において、デジタルフィルターによるノイズ除去や、浮動小数点演算を用いた計測値の算出といった、負荷の重い処理が要求される。

 こうしたシステムでは、消費電流の増加が許されないため、CPUコアの周波数を上げることによる処理の高速化ができず、従来は時間をかけて処理を実行していた。処理中は、マイコンのみならず、システム全体が電力を消費するため、長い処理時間はシステム全体の電力の増加につながっていたという。

 これに対して新製品のRX231グループでは、低消費電力技術と、DSP/FPU演算を強化したRXv2コアを組み合わせることにより、電流を抑えたまま、デジタルフィルターや浮動小数点演算といった負荷の重い計算を短時間で処理することを可能にしたとする。これにより、処理中のシステム全体の電力の増加を大幅に抑えることを狙う。新製品の消費電流は、動作時で0.12mA/MHz、SRAMとレジスタをすべて保持した待機状態では0.8μAと低い。

 例えば、IIRデジタルフィルターの処理を行う場合、新製品は、第1世代のRXコア(RXv1)を搭載した従来製品「RX210グループ」(日経テクノロジーオンライン関連記事)と比べて処理時間を約50%、処理中の電流値を約10%削減することができるという。すなわち、動作時の消費電力量は半減可能である。また、待機時の消費電流は従来製品の半分という。これで、処理動作とスタンバイを繰り返す間欠動作時には、処理中の電力効率を50%以上改善し、32ビットマイコンでは業界トップクラスの電力効率を実現したとする。システムの電池の駆動時間の長時間化に貢献するという。

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