太陽電池パネル排出見込量。寿命25 年の場合(出所:環境省)
太陽電池パネル排出見込量。寿命25 年の場合(出所:環境省)
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太陽電池パネル排出見込量。寿命20、25、30 年の場合(出所:環境省)
太陽電池パネル排出見込量。寿命20、25、30 年の場合(出所:環境省)
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 環境省は6月23日、「太陽光発電設備等のリユース・リサイクル・適正処分に関する報告書」を公表した。これは経済産業省と連携し、有識者で構成した検討会(座長:細田衛士・慶應義塾大学経済学部教授)で2013年度から検討したもの。

 それによると、固定価格買取制度(FIT)によって太陽光発電設備が急増した結果、太陽光パネルの排出見込量は、寿命を25年とした場合、2020年度に約3000t、2030年度に約3万t、2040年度に約80万tに上るとの試算値となった。

 パネルに含まれる銀・銅の有用物については、ガラスを分離すれば、製錬業者によってリサイクルが可能だが、得られる資源価値よりリサイクル費用が大きいことが分かった。加えて、埋め立て処分時に重金属などが溶出する懸念もあることから、リサイクルに関してパネルメーカーが関与することで、環境配慮設計を促すことが望ましいとしている。

 今後の方向性として、「国は関連事業者(関連メーカー、産廃処理・リサイクル業者など)による自主的な回収・適正処理、リサイクルシステムが円滑に運用されるように必要な制度的な措置を検討する」としている。経産省が6月24日に開催した新エネルギー小委員会でも、太陽光パネルの適正な廃棄、リサイクルに関して、制度的な対応を検討するとの方向性を示している。

 環境省は、今回の報告書を受け、2015年度には、経産省や業界団体と連携して、「太陽光発電設備の撤去・運搬・処理方法に関するガイドライン」を策定する。