3Dシミュレーションモデルの利用イメージ
3Dシミュレーションモデルの利用イメージ
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 仏Dassault Systemes社は、人間の心臓の挙動を忠実に再現できる3Dシミュレーションモデルを2015年5月29日に商用化した。同社が推進する「The Living Heart Project(リビング・ハート・プロジェクト)」の最初の成果物という。

 この3D心臓モデルは「3DEXPERIENCE(3Dエクスペリエンス)」と呼ぶ同社の3Dシミュレーションプラットフォーム上のアプリを使用したもの。心臓の4つの部屋(右心房、右心室、左心房、左心室)を備え、健康な人の標準的な心臓そのままの形状と挙動を再現できる。

 医療機器メーカーや医学研究者による仮想テストや、心臓反応の可視化が可能。シミュレーターに医療機器を挿入して、医療機器が心臓機能に与える影響を学習したり、有効性を検証したり、動作条件によって左右される信頼度を予測したりすることもできる。ソフトウエアエディタで形状や細胞特性に変更を加えれば、先天的欠損症や心疾患に関する学習も可能だ。

 リビング・ハート・プロジェクトは45の企業・団体から成り、クラウドソーシングを活用して3Dモデルを構築する取り組みを進めている。メンバーには米国食品医薬局(FDA)や心臓専門医、医療機器メーカー、病院などが含まれるという。