導入した電動アシスト自転車と自動充電システム(出所:川重商事)
導入した電動アシスト自転車と自動充電システム(出所:川重商事)
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「再生可能エネルギー利用自転車ポート」を設置した(出所:川重商事)
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 川重商事(神戸市中央区)は、太陽光と風力発電を利用した電動アシスト自転車のシェアリングシステムの実証プロジェクトを4月から開始したと発表した。

 同実証事業は「福岡市スマートコミュニティ創造協議会」の一つとして実施される「再生可能エネルギーを利用した電動アシスト自転車の地域サイクルシェアリング実証事業」により実施する。電動アシスト自転車の充電電源に太陽光と風力発電の電力を利用する。実証期間は6月まで。

 「再生可能エネルギー利用自転車ポート」を設置し、充電ステーションとする。同ポートの屋根には、化合物系CIS型太陽光パネル(約2kW)と小型風力発電システム(300W)が設置されている。太陽光と風力で発電した電力をポート内の鉛蓄電池(20kWh)にいったん貯めておき、電動アシスト自転車に充電する。

 電動アシスト自転車と充電システムには、新開発の「蓄電池自動充電システム」を採用した。従来のように自転車から蓄電池ユニットを外すことなく、駐輪ラックに自転車を返却すると同時に、自動的に充電し始める。今回の実証事業では、再生可能エネルギー100%で充電した電動アシスト自転車を、アイランドシティから福岡市内(半径約5km圏内)で共同利用(シェアリング)する。

 導入する電動アシスト自転車は、2輪車7台、3輪車1台。各自転車には5Ahの蓄電池を搭載しており、満充電で約30km連続走行できる。電池が切れた場合は、普通自転車として利用できる。電動アシスト自転車は、普通自転車に比べて行動範囲が広がるため、共同利用への採用により、公共交通に並ぶクリーンなモビリティシステムとして普及が期待できるという。

 「再生可能エネルギー利用自転車ポート」は可搬型のため、災害などの緊急時には、必要な場所に移動し、非常用電源システムとしてパソコンや携帯電話などを充電することもできる。