シグリードは、独自のECC(error correcting code)技術を搭載したSSD(solid state drive)コントローラーIC「SL2007」の開発経緯を講演で語った。この講演は、「シノプシス プロセッサ・ソリューション・セミナー」(2015年4月8日に東京で日本シノプシスが開催)で行われた。

図1●講演する松本恭幸氏(右端) 日経エレクトロニクスが撮影。スクリーンはシグリードのスライド。
図1●講演する松本恭幸氏(右端)
日経エレクトロニクスが撮影。スクリーンはシグリードのスライド。
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図2●NANDの長寿化を確認 シグリードのスライド。
図2●NANDの長寿化を確認
シグリードのスライド。
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 登壇したシグリードの松本恭幸氏(設計事業本部 ディジタルソリューション事業部 部長)によれば、SL2007は複数の特徴を持つ(図1)。まず、BCH符号を使う一般的なECCのSSDコントローラーに比べてNANDフラッシュメモリーの寿命を延ばせる点である。詳細な説明はなかったが、独自のECC技術は、NANDフラッシュメモリーに特化したものだという。

 BCHのSSDコントローラーを使った場合に書き換え可能数(ECC後にエラーがない書き換え回数)は3000回だが、BCHとシグリード独自のECCの双方を備えたSL2007は、6000回以上、7000~8000回は大丈夫だとした(図2)。データ保持期間も長くでき、8年後を想定した加速試験でもすべてのページが訂正できることを確認した。

 2番目の特徴は、高速なSSDを実現できることだ。シーケンシャル読み出し速度は550Mバイト/秒、シーケンシャル書き込み速度は450Mバイト/秒が得られるという(いずれも目標値)。対応可能なSSDの容量は、最大2Tバイトと大きい。現在、SL2007はサンプル出荷中で、2015年中に量産を開始する予定である。今後は、ランダムアクセス速度の向上などに取り組むという。