ISO 26262やIEC 61508といった国際的な機能完全規格にSoC(system on a chip)を容易に対応させることを狙って、米国のArteris社とイタリアYogitech社が手を組んだ(Arterisニュースリリース、Yogitechニュースリリース)。Arterisは、SoCの内部接続用ネットワーク(NoC:network on chip)に向けたIPコアを開発・提供する企業である。一方Yogitechは、機能安全の専門企業で、機能安全の確保や、機能安全規格への対応に向けたEDAツール(ソフトウエア)やIPコアなどを開発・提供する。
今回、日本市場の開拓やユーザー訪問などを目的に来日した両社に話を聞いた。YogitechのSilvano Motto氏(President-CEO)によれば、同社はイタリアに本社があるが、顧客はイタリアにおらず、売上高に占める欧州の比率は19%にとどまる(2013年)。日本が33%、米国が48%を占める。現在は半導体メーカーが顧客の7割を占めているが、次第に自動車メーカーや自動車部品メーカー(Tier 1)、機器メーカーが増えている。分野としては、自動車が75%と高い(2014年)。
Motto氏によれば、Yogitechは、機能安全確保のためのワンストップショップだという(図1)。2007年に開発した「fRMethodology」と呼ぶ機能安全の解析および検証技術を核に、そのためのEDAツール「fRTool」、IPコア「fRIP」、テストのソフトウエアライブラリ「fRSTL」をそろえる。日経テクノロジーオンラインでは、東芝と伊仏合弁STMicroelectronics社それぞれがYogitechの技術をマイコンに組み入れ、機能安全性を高めたことを伝えている(日経テクノロジーオンライン関連記事1、同2)。