斜面への施工性などを検証(出所:NTTファシリティーズ)
斜面への施工性などを検証(出所:NTTファシリティーズ)
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小型の基礎で固定する埋め込み型の架台(出所:NTTファシリティーズ)
小型の基礎で固定する埋め込み型の架台(出所:NTTファシリティーズ)
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機器でパネルをスライドさせて設置するアジャスト型の架台(出所:NTTファシリティーズ)
機器でパネルをスライドさせて設置するアジャスト型の架台(出所:NTTファシリティーズ)
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防草シートと一体化したシート型の太陽光パネル(出所:NTTファシリティーズ)
防草シートと一体化したシート型の太陽光パネル(出所:NTTファシリティーズ)
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 NTTファシリティーズは3月19日、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)からの受託事業の一環として、アドテック富士(愛知県岡崎市)と共同で、傾斜地向けの実証用の太陽光発電システムを、山梨県北杜市長坂町夏秋地区に導入したと発表した。

 国内での太陽光発電に適した土地への導入が進み、今後、従来は設置コストが高くなるために導入が難しかった場所への設置が課題となる。

 そこで、両社は、傾斜地に太陽光発電システムを導入しやすくする施工技術などを開発し、その効果を検討する。

 山梨県北杜市の協力を得て、北杜市の「北杜サイト太陽光発電所」の近くに実証設備を構築し、施工性を検証する。

 例えば、小型の基礎で固定する埋め込み型の架台を検証する。重機での作業が難しい傾斜地でも、人手で設置できる工法で、斜面に小型の基礎を埋め込み、架台の支持材の高さなどを調整後、モルタルで固定する。

 また、アジャスト型の架台も検証する。斜面の上端部で架台を組み立て、機器を使って太陽光パネルをスライドさせて組み付けることで、傾斜地に作業者が入らずに設置できる。架台の支柱の高さを変えられる構造とし、高さの調整を容易にした。

 シート型の薄膜太陽光パネルも導入した。汎用の防草シートと薄膜太陽光パネルを一体化し、押しピンで固定した。架台の設置が不要になるなど、一般的な太陽光パネルに比べ、設置時の作業負荷が小さくなる。

 今後は、2017年2月まで、発電特性などのデータを収集するほか、発電コストの評価、施工性の向上を検討する。