初日の基調講演に登壇した、東北大学 教授の大野英男氏
初日の基調講演に登壇した、東北大学 教授の大野英男氏
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 東北大学 国際集積エレクトロニクス研究開発センター(CIES:Center for Innovative Integrated Electronic Systems)は2015年3月19~20日、第1回成果報告会「1st CIES Technology Forum」を東京都内で開催した。2日間でのべ500人近くが参加。大学主催のイベントながら、アカデミアよりも「産業界から多くの聴講者が集まった」(東北大学 教授 CIESセンター長の遠藤哲郎氏)。

 CIESは、東北大学 青葉山新キャンパスに2012年10月に設置された、スピントロニクスなど省電力エレクトロニクス技術をテーマとする研究開発拠点である。2013年4月に竣工した研究棟には、300mmウエハー対応のプロセスラインや評価・分析設備を整備。次世代半導体技術に関して、こうした恵まれた開発環境を持つ大学の研究拠点は世界的にも珍しい。

 元・東芝のメモリー技術者である遠藤氏をはじめ、産業界で豊富な実績を持つ技術者を数多く研究者/教員として招聘。東京エレクトロンなど、産業界のプレーヤーとの共同研究を精力的に進めている(関連リリース1)。こうした取り組みを通じ、ここにきて製品化にこぎ着けたのがSTT-MRAM(スピン注入磁化反転型MRAM)向けの測定システムだ。CIESの共同研究先の1つである半導体測定装置大手のキーサイト・テクノロジー合同会社が2015年3月17日、2016年初頭に発売すると発表した(関連リリース2)。