スイスの重電大手のABBは3月8日、同社が関わる太陽光発電電力だけで飛ぶ電動飛行機プロジェクト「ソーラーインパルス」が、世界一周飛行に挑戦すると発表した。太陽光発電電力だけで世界一周飛行するのは、世界初となる。
ソーラーインパルスは3月9日、アブダビを出発し、3万5000kmにおよぶ飛行を開始した。
アブダビを出発後、東に向かい、オマーンのマスカット、インドのアーメダバードとバラナシ、ミャンマーのマンダレー、中国の重慶と南京、米国のハワイとフェニックス、ニューヨークを経由し、大西洋を横断して2015年中頃にアブダビに戻る予定。
2人のパイロットが交替しながら操縦し、難関は中国からハワイまでの間の太平洋の横断で、5日間、昼夜を通してノンストップで飛ぶ。
ソーラーインパルスは、1万7248枚の太陽電池を備える。太陽光発電による電力を使って、日中は高度1万mを飛行しながら、夜間の飛行に十分な電力を充電する。
ABBの技術者3人が、ソーラーインパルスのメンバーとして活動に参加し、発電量の最大化や、蓄電システムの強化などに寄与しているという。