米国の調査会社であるGrand View Research社は3月7日、世界の太陽光発電システム設置容量が、2020年に489.8GWに達するとの予測を発表した。

 世界各国の政府が、固定価格買取制度(FIT)をはじめとする太陽光発電システムの導入促進策を導入することから、特に、日射量の多いサンベルト地帯にある国々で、設置容量が大幅に拡大する見通し。

 太陽光パネルの販売価格の低下によって、太陽光による発電コストが1kWhあたり0.07~0.16米ドルまで低下する。この発電コストは、石油やガスによるピーク時の調整用の火力発電所に対して競争力を持つ。

 ブラジルやチリ、サウジアラビアなど、大規模に太陽光発電を導入できる可能性を持つ国では、今後6年間で、順調に導入が進み、市場の拡大を牽引すると予想している。

 また、中国における積極的な導入は、価格の低下や過剰供給を引き起こす可能性もある。Grand View Research社では、太陽光発電関連市場の上流から下流まで、関連企業がより提携を深め、新興国の市場開拓や低価格化を進めていくことが重要だとする。

 現在の世界の太陽光発電システム設置容量のうち、45%を発電事業用が占めている。発電事業用は、太陽光パネルの価格低下、電源の多様化へのニーズに支えられ、今後も急速に拡大していく。

 地域別では、これまで市場の成長を牽引してきた欧州が、今後は中国やインド、韓国、台湾、オーストラリアなどアジア太平洋地域の国・地域の成長を下回り、世界に占めるシェアが縮小していく。欧州の設置容量は、2012年に70GW以上に達していた。

 今後6年間で、最も高い成長が予想されているのは中国である。原料や資材コストの低下、国による支援策が寄与し、2013年~2020年の年間平均成長率は35%以上となる。