図1 講演に臨む国土交通省自動車局技術企画室長の久保田秀暢氏。
図1 講演に臨む国土交通省自動車局技術企画室長の久保田秀暢氏。
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表1 国家プロジェクト「SIP」が策定した自動運転レベルと開発ロードマップ。
表1 国家プロジェクト「SIP」が策定した自動運転レベルと開発ロードマップ。(発表スライドを基に作成)
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図2 自動車の安全・環境基準の決定機関と日本の役割。(発表スライドを基に作成)
図2 自動車の安全・環境基準の決定機関と日本の役割。(発表スライドを基に作成)
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 「自動運転に関する取り組みでは、日本は他国に遅れてなどいない」。こう語るのは国土交通省自動車局技術企画室長の久保田秀暢氏だ(図1、表1)。2015年3月9日に開催された「日本ITS推進フォーラム」において、同氏は自動運転に関する世界の動向を説明した上で、日本の取り組みをこう評価した。同氏によれば、日本は自動運転に関する国際的なルール作りや技術開発において重要な役割を果たしているという。

 自動車に関する世界共通基準は、国連の「自動車基準調和世界フォーラム(WP29)」で決められている(図2)。日本国内の基準もこれとほぼ同じ内容だ。WP29では2014年11月に日本の提案を受ける形で、自動運転の国際基準を決める「自動運転分科会」を設立した。日本は英国と共同で同分科会の議長を務め、国際的な議論を主導する立場にあるという。「先進技術を持った国が率先して国際的な基準を作ることが重要で、日本はその立場にある」(同氏)。

 2015年2月に開催された「ブレーキと走行装置専門分科会(GRRF)」では、「自動操舵専門家会議」の立ち上げが合意され、日本はドイツと共同議長に就任した。同会議では同年4月に初会合を開催する予定で、自動運転を促進する上で足かせとなっている現行基準の改正を検討するという。具体的には、時速10km超の速度における自動操舵の禁止規則見直しなどだ。