産業革新機構などによる出資のスキーム
産業革新機構などによる出資のスキーム
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半導体企業と組み2017年の事業化目指す

 クオンタムバイオシステムズは産業革新機構からの出資を、事業化に向けた技術開発のほか、米国拠点の人材強化などを含む研究開発体制の拡充に向ける。2016年後半をめどにプロトタイプ機を完成させ、「外部ユーザーに使ってもらえるようにする」(本蔵氏)。2017~2018年には、製品販売に加え、研究機関や製薬会社からの受託型サービスも念頭に入れた事業化に乗り出す考えだ。

 同社は2年ほど前から、同社の技術を実装した半導体チップの量産に向けて半導体関連企業と協業を進めてきた。今後は同企業からの出資を含めた共同開発を検討していく。この協業先については「しっかりした提携を結ぶメドがついた段階で公表したい」(本蔵氏)。

 産業革新機構は今回、クオンタムバイオシステムズの技術が「市場拡大が見込まれる個別化医療の推進につながると期待しており、政策的な意味を含めて出資を決めた」という。資金提供に加え、社外取締役の派遣やパートナーとの提携支援などの経営サポートも行う。クオンタムバイオシステムズに対しては今回、既存株主であるジャフコ、東京大学エッジキャピタル(UTEC)、みずほキャピタル、新規投資家として名乗りを上げた三菱UFJキャピタルの4者も、計9億円を出資した。