東芝メディカルシステムズが国内販売代理を務めるElekta社の放射線治療装置などを展示した、東芝の出展ブース
東芝メディカルシステムズが国内販売代理を務めるElekta社の放射線治療装置などを展示した、東芝の出展ブース
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 東芝は、重粒子線治療装置向けに開発した次世代照射システムを「日本放射線腫瘍学会 第27回学術大会(JASTRO 2014)」(2014年12月11~13日、パシフィコ横浜)の展示ブースで紹介した。「3D高速スキャニング」「呼吸同期」「超伝導回転ガントリー」などの技術で、いずれも放射線医学総合研究所(放医研)と共同開発したもの。

 東芝は2011年に放医研が稼働させた重粒子線治療用の「新治療研究棟」に、ガントリーや治療室の室内機器などを一括納入。同研究棟では以来、東芝と放医研が共同開発した「ラスタースキャニング」と呼ぶ3次元スキャニング照射法による治療を実施してきた。同照射法は腫瘍を“一筆書き”で塗りつぶすように重粒子線を照射する方法で、“点”で塗りつぶすスポットスキャニング法に比べて「スループットが高い」(東芝)。治療実績は既に600~700例に達するという。