開発したセンサーの利用イメージ(図:Yasser Khan)
開発したセンサーの利用イメージ(図:Yasser Khan)
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 米University of California、Berkeley校(UCB)は、指先で心拍数と動脈中の飽和血中酸素濃度(SpO2)を調べるパルスオキシメーターを、有機材料だけで開発した。学術誌の「Nature Communications」に論文を発表した。

 薄く軽く、しかも安く作ることができるため、あたかもバンドエイドのように指に巻いて使うことができ、ジョギングやハイキング、登山中のSpO2値が気軽に分かるようになるという。

 既存のパルスオキシメーターは、赤色LEDと近赤外LEDを用いて、指先や耳たぶに光を当て、動脈の血中ヘモグロビン(Hb)と酸化ヘモグロビン(HbO2)の比を、赤色光の透過率を基に心拍数とSpO2値を測定している。近赤外光は透過率がHbとHbO2の比で変化しないため、参照データとして利用する。

 今回、UCB、associate professor of electrical engineering and computer sciencesのAna Arias氏らは、赤色発光の有機EL素子と、近赤外光の代わりの緑色発光の有機EL素子、そして有機受光素子(OPD)をフレキシブル基板上にスピンコート法や印刷技術を用いて形成した。心拍数の誤差は1%、SpO2値の誤差は2%以下だという。