システム構成の例(出所:パナソニック)
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時間経過と共にストリング単位での発電状況を色別に表示(出所:パナソニック)
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異常検知の履歴を一覧表示して監視業務の効率を上げる(出所:パナソニック)
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 パナソニック システムネットワークス(東京都中央区)は12月9日、「太陽光発電所向け無線型ストリング計測システム」の販売を開始すると発表した。太陽光パネルを直流接続したブロックである「ストリング」単位ごとに発電量などを管理することで、パネルの不具合を早期に特定したり、影や雑草などによる外的な出力影響を迅速に発見しやすくなり、保守・メンテナンス作業が効率化できるという。

 発電開始以降に「ストリング単位で計測したい」という後付けのニーズにも対応できるのが特徴。無線方式によるデータ収集である「DECT無線」を活用することで、取り付け作業が簡易になったという。各ストリング単位のデータは、計測子機から親機へ無線で送信するため、新たにケーブルを敷設する必要がない。また、計測子機には太陽光パネルから電源を供給し、接続箱への収納や新たな電源工事が不要という。

 DECTとは、Digital Enhanced Cordless Telecommunicationsの略で、ETSI(欧州電気通信標準化機構)が策定したデジタルコードレス電話規格。日本では電波産業会(ARIB)が2011年3月に標準規格を策定した。1.9GHzの専用周波数で、干渉が少なく、全世界(110カ国以上)で普及しているという。

 約1年半にわたり、気候・温度・影などの環境変化のなかでフィールド実証し、多数の異常検知事例を検証することで、独自の異常検知アルゴリズムを開発したという。これにより誤報が減り、効率的に運用できるという。

 ストリング単位の管理に加え、遠隔監視のためのネットワーク構築や、ネットワークカメラとクラウドサービスにより、太陽光パネルの状態や不正侵入者など、安価に監視サービスを提供できるという。