JAXAの衛星データを活用したプロジェクトの概要(出所:日本ユニシス)
JAXAの衛星データを活用したプロジェクトの概要(出所:日本ユニシス)
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 ICT(情報通信技術)システムベンダーの日本ユニシスは11月28日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)によるプロジェクトで、衛星のデータを使った太陽光発電量の予測への応用が採択されたと発表した。

 地球観測衛星データの利用拡大に向けたビジネス・インキュベーション施策「衛星データを活用した新たなビジネスソリューション構築のためのパイロットプロジェクト」に、「EMS(エネルギー管理システム)サービスへの衛星データ活用」を提案し、採択された。

 太陽光発電は天候などの影響による出力変動が大きいため、大量に導入した場合、電力網を安定的に運用するためには、外部環境の高精度な予測に基づいて、きめ細かな需給計画や調整用発電機と組み合わせた需給調整が必要になる。こうした運用を実現できるようなデータを提供することで、電力の安定供給と、系統への導入可能量の拡大につながる。

 最長で3年間、JAXAから衛星データの提供や技術アドバイスを受け、協業企業との実証実験を通じて、技術やビジネスモデルを確立する。

 プロジェクトでは、地球観測衛星のセンサーと地上に設置したセンサーから取得したビッグデータを解析することで、従来より高精度に再生可能エネルギー電力の変動を予測できるシステムを開発する。プロジェクトを通して、分散型電源の効果的かつ安定的な運用にも取り組む。

 開発した技術を、日本ユニシスのEMSサービスに適用する。 利用する地球観測衛星は、最新衛星「GPM(全球降水観測計画)主衛星」を含む複数機としている。「GPM主衛星」は、世界で初めて雨雲スキャンレーダ(DPR)を搭載し、世界中の雨の状況などをリアルタイムに高精度で観測できる。

 再生可能エネルギーによる発電予測モデルの開発やフィールド検証については、研究機関や発電事業者と協業する。