国土交通省の関連団体である先端建設技術センターは2014年11月28日、東京都大田区の多摩川河川敷で、社会インフラ構造物の維持管理を支援する水中点検ロボットの現場検証を実施した。

 現在、河川の護岸設備や橋脚などの水中での点検は、点検員が潜水して目視や触診で行っている。潜水士の資格を持つ点検員は数が少なく、作業には危険もともなう。そこで国交省は、点検員の作業を支援または代替する点検装置やロボットの実用化を目指している。今回の検証では、国交省が公募で採択した「河川の近接目視・洗掘状況把握」を目的とする3台が持ち込まれ、水中での動作や有効性の確認が行われた。

 水中探査などを請け負うアーク・ジオ・サポート(東京都渋谷区)が開発中の「河川点検ロボットシステム」は、法面の河床や護岸ブロック、消波ブロック、矢板(土砂の流出を防ぐ板)、ケーソン(防波堤などの水中構造物に使用されるコンクリート製の箱)といった護岸設備の状態を音響ソナーで確認するシステムである。東京大学生産技術研究所 准教授の巻俊宏氏の研究室と共同で開発を進めている。

アーク・ジオ・サポートの「河川点検ロボットシステム」