ワイ・ジー・ケーはエンジンから出てくる排ガスでタービンを回し、それで発電した電気でモーターを回してエンジンをアシストする「EER(Exhaust Energy Recovery)ハイブリッドシステム」を開発した。既に英Jaguar社の「XJR-15」を改造してエンジンを載せ換え、試運転も済ませた。同社最高顧問の林義正氏が東海大学教授だった2009年に構想を明らかにしてから5年で、試運転にこぎつけた。
典型的なガソリンエンジンは燃料の持つ熱量のうち32%が軸出力として、35%が排ガスの熱エネルギー、圧力エネルギーとして、20%が冷却水の熱エネルギーとし出てくる。熱効率は32%ということになる。排ガスのエネルギーをタービンで回転力に変換し(効率は33%)、減速し(同98%)それで発電し、インバーター、モーターで軸出力に変換する(同89%)。モーターの軸出力は燃料の持つ熱量を分母とすれば0.35×0.33×0.98×0.89=0.1で10%。クランク軸からの軸出力32%にモーターの軸出力10%を上乗せし、総合効率は42%になる。