メガソーラーを中心としたエネルギー自立エリアのイメージ(出所:飯舘村・復興計画)
メガソーラーを中心としたエネルギー自立エリアのイメージ(出所:飯舘村・復興計画)
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 東光電気工事(東京都千代田区)と福島県飯舘村は、同村飯樋字花塚山に約10MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)を建設する。東光電気工事が5000万円、飯舘村が4000万円を出資した特定目的会社(SPC)「いいたてまでいな太陽光発電株式会社」を設立し、発電事業主体となる。このSPCに対し、東邦銀行が主幹事としてシンジケートローンを組成し、40億7000万円を融資する。

 すでに2014年6月に着工しており、10月に初回融資金として1億9300万円の融資が実行された。村が所有する約14haの元牧草地に建設する。飯舘村は、東京電力福島第一原子力発電所の事故に伴い、全村避難が続いているが、建設用地は、すでに環境省による除染が終わっている。発電開始は2016年4月の予定。

 EPC(設計・調達・施工)サービスとO&M(運営・保守)は東光電気工事が担当する。太陽光パネルは三菱電機製、パワーコンディショナー(PCS)は東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製、架台は愛知金属工業製を採用する。シンジケートローンは、東邦銀行を主幹事とし、七十七銀行、大東銀行、福島銀行の4行で組成した。

 発電した電力は、全量を東北電力に売電する契約を済ませている。売電収入の一部を村の復興事業に活用する。

 飯舘村は、「いいたてまでいな復興計画」の中で、復興のシンボルとして深谷地区に約2MWのメガソーラーの建設を計画している。いいたてまでいな太陽光発電株式会社による10MWのメガソーラーは、これとは別に、東光電気工事が中心となって進められ、村も出資して、復興計画と連携する形で、地域の復興を担っていく。