エナリスと日産自動車は10月16日、両社が共同で、日産自動車の電気自動車(EV)「リーフ」による電力供給システム「LEAF to Home」を活用したエネルギーマネジメントの実証実験を開始すると発表した。

 神奈川日産自動車の店舗、横須賀市の追浜行政センター、衣笠行政センター、浦賀行政センターにおいて、エネルギーマネジメントにおけるEVに搭載した蓄電池の有効性を検証する。

 今回の実証実験では、電力需要のピーク時における供給力や予備力を目的としたデマンドレスポンス(DR:需要応答)を実施する。

 ネガワット(需要家の節約によって生じた余剰電力を、発電したことと同等にみなす「省エネ潜在量」)による電源代替の経済性の検証や、大規模電源が脱落した際の短時間での需給調整の可能性などについて評価する。

 従来のDRは、空調や照明などを制御して節電する手法が主流だったが、節電量の不確性が課題となっていた。今回は、EVの蓄電池を活用することで、確実性の高いDRサービスを実現できるとしている。

 例えば、EVの蓄電池から建物に電力を供給するV2H(Vehicle to Home)や、V2B(Vehicle to Building)を活用した節電の有用性、インセンティブによる経済性を検証する。

 営業中に点灯している店舗の照明にV2Hを接続し、V2Hから照明へ電力を供給することで、系統の負荷を低減する。行政センターでは、公用車を使って、V2Bにより負荷を低減する。要請時間は1日前、1時間前、30分前、5分前の複数パターンを設定する。

 固定価格買取制度(FIT)の後を睨み、太陽光発電と蓄電池を連携して自家消費するシステムが注目されているが、EVの蓄電池も含め、DRにも活用する動きも広がりそうだ。