経済産業省は10月15日、総合資源エネルギー調査会・新エネルギー小委員会の第5回会合を開催した。同会合では、第4回までの議論を踏まえ、「再生可能エネルギーの最大限の導入拡大に当たって当面する課題の整理」と題した資料が配布された。

 同資料では、(1)再生可能エネルギーの導入に当たっての基本的な考え方、(2)電源別の論点、(3)買取制度に関する論点と議論の方向性、(4)系統問題に関する論点と議論の方向性――という4項目に分けて、これまでに15人の委員などから指摘された再エネの導入促進に関する課題を網羅的にまとめた。

 今回の会合では、同資料に記載されていない課題や、記載された課題のなかで特に重要なものなどに関しても、委員から追加的な意見が出された。次回の会合までに、こうした意見も加味し、「足下で生じている課題」と「長期的な課題」に分けて、課題を絞り込み、その対策を検討していく予定。

 「足下で生じている課題」としては、「太陽光発電が2013年度末に駆け込みで大量の設備認定が集中した」「認定を受けたものの、聴聞や取り消しの対象となるものが多くある」「FITの拒否事由によりどころがなく、接続協議が長期化している」「接続保留がいつまで続くかわからないと、事業計画が立てられない」などが挙げられた。

 また、「長期的な課題」としては、「賦課金負担をどこまで許容できるか、アンケートなどで把握すべき」「太陽光偏重を再検討し、他の再エネ導入の推進策を考えるべき」などが挙げられた。

 こうした課題への対応として、「買取制度の大枠は維持しつつ、運用の改善で是正すべき」という意見と、「抜本的な見直しが必要」との意見に分かれている。「抜本的な見直し」のなかには、「買取価格の低減」や「賦課金の上限設定」「非住宅用の設備認定の停止」などが提案されたが、金融業界の委員からは、「ファイナンスにとっては、制度の長期安定性が非常に重要。買取価格の遡及的な低減などは日本のカントリーリスクに影響するので、絶対に避けるべき」との意見が出された。

 「運用の改善」の一例として、委員の中で比較的、異論が少ないものは、買取制度に関しては、「価格の決定に入札制度を導入して、競争の観点を取り入れる」「価格改定の頻度を上げる」「設備稼働時の価格にすべき」など。また、系統接続に関して、「地熱、小水力などはベース電源になるので、太陽光・風力とは扱いを変える」「出力抑制をある程度、許容して導入拡大する」などがある。今後の会合では、これらの改善手法などを軸に議論が進みそうだ。