O&Mのワンストップサービスを提供(出所:ソーラーワークス)
O&Mのワンストップサービスを提供(出所:ソーラーワークス)
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 ソーラーワークス(横浜市都筑区)は10月8日、太陽光発電サイトを評価して良否を判定し、さらに今後の改善対処法についてアドバイスするO&M(運営・保守)サービスを開始すると発表した。太陽光発電所の転売市場が拡大するなか、適正な転売価格の把握が求められている。今回の査定評価サービスは、こうしたニーズへの対応も想定する。

 従来、太陽光発電所のO&Mサービスというと、「24時間の遠隔監視」と「アラート(警報)が発信された際の駆けつけ」が主要なメニューだった。ソーラーワークスでは、従来の“救急車的な”サービスではなく、予防的な観点に立った“人間ドッグ的な”O&Mを提供する。計測→分析→評価→行動(問題があった場合の対処)というステップを踏むことで、太陽光発電所オーナーに的確な評価と改善方法をアドバイスするという。

 具体的には、まず、パネルを取り外さない状態で、(1)「IVカーブトレーサー」を使ってストリングごとの出力特性を評価。(2)EL(エレクトロ・ルミネッセンス)検査によってパネルのクラック(微小な割れ)を評価。(3)サーモグラフィ(IR)カメラによる温度計測で、ホットスポット、ハンダ付け不良などパネルの問題を発見――という手順で全数を簡易検査する。その上で、重大な欠陥が疑われる箇所については、パネルを外し、ドイツ製の「PVテストカー」を使って、工場出荷状態でIVカーブトレーサーやEL検査をオンサイトで実施する。それでも判定が難しい場合は、検査所に持ち帰って精密に検査する。

 同社では、計測データを分布図にして、閾値基準を決めて、良否を判定する。“黄信号”と“赤信号”を判定し、今後の改善対処法について検討し、アドバイスするという。従来の太陽光発電所を査定サービスでは、計測データだけのレポートで良否判定をしなかったり、改善対処法まで提示しないことが多いという。今回、同社が開始するO&Mサービスでは、計測から分析、改善提案までワンストップで提供するのが特徴。

 ソーラーワークスは、太陽光発電システムのEPC(設計・調達・施工)サービスなどを手掛ける横浜環境デザイン(横浜市北区)の子会社で、太陽光発電設備のO&M、プラントオーディット(サイト評価・査定)などを業務とする。