大手太陽光パネルメーカーのカナディアン・ソーラーは10月6日、九州電力などによる接続申し込みへの回答保留を受けて、日本における発電事業やパネル販売の状況を公表した。

 カナディアン・ソーラーの日本における開発中・建設中の太陽光発電プロジェクトの合計出力は、2014年第2四半期末時点で405MWとしていた。第3四半期には、さらに同85.5MWを追加し、合計出力490.5MWに拡大した。

 このうち、合計出力約150MWのプロジェクトについては、すでに電力会社から連系承諾書が発行ずみで、「接続保留」の影響はない。これらのプロジェクトは現在、建設の許可を受ける段階にある。

 カナディアン・ソーラーでは、2014年末までに、日本における開発中・建設中の太陽光発電プロジェクトの合計出力を550M~600MWに拡大する目標を掲げてきた。

 この目標を変えることはないと強調しており、現在、合計出力200MW以上の太陽光発電プロジェクトの買収を検討していることを明らかにした。

 九州においては、10カ所、合計出力95.6MW分の太陽光発電プロジェクトについては、すでに連系承諾書が発行ずみとなっている。

 一方、連系承諾書が発行されていないプロジェクトもある。例えば、鹿児島県志布志市の合計出力2.3MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)「志布志・内之倉」である。こうしたプロジェクトは、回答保留の影響を受ける。

 「接続保留」は、九州電力に続いて、北海道電力、東北電力、四国電力も決定している。

 このうち、東北電力の管内で、カナディアン・ソーラーは、3カ所、合計出力135MWの太陽光発電プロジェクトを進めている。この3カ所のメガソーラーについては、現時点で、最終的に東北電力から、連系が承諾されると予想しているという。

 この3カ所のメガソーラーは、2016年後半~2017年に売電を開始する目標で、その日程に間に合うように、連系の承諾を得られるように働きかける。

 北海道電力、四国電力の管内では、カナディアン・ソーラーが開発中の太陽光発電プロジェクトはない。

 また、太陽光パネルの供給を予定していた日本の顧客とは、現在、状況を見極めながら議論を続けているが、直近の太陽光パネル事業には影響を及ぼさないとしている。

 カナディアン・ソーラーのショーン・クー会長 兼 CEO(最高経営責任者)は、今回の「接続保留」について、「最終的には、良質の太陽光発電プロジェクトにはチャンスが残り、有益な措置になることを信じている」とコメントしている。