NPO法人環境エネルギー政策研究所(ISEP)は10月2日、北海道電力、東北電力、四国電力、九州電力の4電力が再生可能エネルギー発電設備の接続申込みの回答を保留したことに関し、提言を公表した。

 提言では、「『回答の保留』は、既存の導入量ではなく、設備認定量や接続申込み量に対する緊急避難的な措置としては、理解できる」としつつも、「法に定める『接続義務』を適正かつ正確に履行するためには、欧州などの知見に学びつつ、従来の系統運用の考え方やあり方を抜本的に見直し、再エネベースの運用に転換することが必要」と指摘している。

 同研究所によると、「再エネ導入で先行する欧州各国では、風力発電と太陽光発電を加えた変動電源が軽負荷時の需要(+連系線)の60~120%に達しても問題なく運用されている」という。こうした先進例を踏まえつつ、具体的な運用手法として、(1)気象予測システムを整備しながら、(2)揚水発電を最大限活用し、(3)会社間連系線の活用、(4)石炭火力などのベース電源を積極的に変動させ、(5)デマンドレスポンス(需要応答)など需要側・分散型電源を活用する市場を整える、といった対応策の検討を提言している。

 加えて、今回の「回答の保留」を好機として、再エネ導入の優先順位のあり方などを一定の公共的なルールとして定める必要性を指摘し、その1つの考え方として地域創生に資する再エネ開発を優先・優遇することなどを提案している。