オランダRoyal Philips社は2014年9月23日(現地時間)、本体をヘルスケアと家電の融合領域(HealthTech)、および照明(Lighting)を手掛ける2つの会社に分割すると発表した(リリース)。世界大手の照明部門を分離、独立させる形となる。照明部門はPhilipsブランドを踏襲するものの、出資形態については「さまざまなオプションを検討する」(Philips社)。2013年の売上高ベースで、HealthTech事業は約150億ユーロ、照明事業は約70億ユーロの規模。

 本体はHealthTech事業に集中する。予防医療や診断、低侵襲治療、在宅ケアなどの分野を中心に、ヘルスケア事業と家電(consumer lifestyle)事業の融合を進めていく。この領域の潜在市場は1000億ユーロ規模に及ぶとPhilips社はみる。

 照明事業の分離は、同事業の付加価値が個別製品からシステムやサービスへ移行しつつある状況に対応するものという。独立会社とすることで経営のスピードや柔軟性が増し、LED照明ベースのシステムやサービスを展開しやすくなるとしている。

 今回の再編により、2015年に1億ユーロ、2016年には2億ユーロ規模のコスト削減効果を見込む。2014~2016年に発生する追加の構造改革費用は、年間5000万ユーロ規模になる見通し。照明部門の分離後の出資形態については2015年に詳細を発表する予定だ。