津波の被害が大きかった磯部地区(出所:相馬市)
津波の被害が大きかった磯部地区(出所:相馬市)
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 九電工、オリックスなど4社と福島県相馬市は9月12日、津波の被害を受けた災害危険区域約70haに、出力50MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)を建設する計画を発表した。2015年4月に着工し、2017年3月の稼働を目指す。計画地は、同市磯部地区にあり、住宅地約20haと浸水農地約50haからなる。所有区分では、民有地が約50ha、市有地が約20haとなっている。

 太陽光パネル約20万枚を設置する。総事業費は約160億円を見込む。九電工とオリックスのほか、ベルテクノエナジー(東京都)、北斗電気設備工事(南相馬市)の4社が、SPC(特定目的会社)「レナトス相馬ソーラーパーク」(相馬市)を設立し、発電事業者となる。同SPCが市と地権者から土地を賃借し、建設する。年間発電量は約5000万kWhを見込んでいる。

 磯部地区は、津波で浸水し、塩害やがれき被害によって、農地としての再生が難しいことから、市が購入を進めつつ、その活用について、検討してきた。当初、送電線の敷設や損害保険のコストなどの問題などがあり、メガソーラーの事業性に関して疑問視する見方もあった。だが、発電事業者が決まったことで、農地転用を経て市と事業者間で立地協定を結ぶ予定。震災復興事業の一部として市も農地転用を後押しする。