福島県川内村とエナジアの基本協定(出所:川内村)
福島県川内村とエナジアの基本協定(出所:川内村)
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 再生可能エネルギー関連のベンチャー企業、エナジア(福島県郡山市)と福島県川内村は10日、出力約2MWメガソーラー(大規模太陽光発電所)の設置に関する基本協定を結んだ。建設地は、福島第1原発事故によって「避難指示解除準備区域」となっているエリアで、同村の避難区域へのメガソーラー設置は初めてとなる。

 エナジアが、下川内地区の村有地4.5haを賃借する。年間被曝放射線量が20ミリシーベルト以下の避難指示解除準備区域で10月1日に解除される予定。同地はもともと農地だったが、復興整備事業の一環として、農地転用の特例措置が認められた経緯がある。

 計画では、太陽光パネル約8600枚を設置する。パネルによる直流の出力は2.5MW、交流に変換するパワーコンディショナー(PCS)の定格出力は約2MWとなる。竣工は2015年12月の予定。発電電力の全量を東北電力に売電する。採用する太陽光パネルの製造会社は未定、PCSは東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製になる見込み。

 総事業費約7億円のうち約2億円を経済産業省の「再生可能エネルギー発電設備等導入推進復興支援補助金(半農半エネモデル等推進事業)」で賄い、東邦銀行の「とうほう・次世代創業支援ファンド」から5000万円の出資を受ける。売電益から約1億円を「かえるかわうち再興支援バス運行事業」に充てる。同事業では、同村の仮設住宅がある郡山市と往復するルートなどを新設する。

 エナジアは、福島ミドリ安全(福島県郡山市)の白石昇央社長が設立したベンチャー企業で、再生可能エネルギーを活用した地域エネルギー会社の設立、運営を支援している。これまでに地中熱利用や木質バイオマスを活用したコージェネレーション(熱電併給)システムの構築などを支援した実績がある。