基材に樹脂とアルミの複合材を使い、従来の約半分に軽量化した「T-Light Solar」(出所:太陽工業)
基材に樹脂とアルミの複合材を使い、従来の約半分に軽量化した「T-Light Solar」(出所:太陽工業)
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ハニカム構造の樹脂に薄厚のアルミ板を貼り合わせて基材とした(出所:太陽工業)
ハニカム構造の樹脂に薄厚のアルミ板を貼り合わせて基材とした(出所:太陽工業)
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 テントなどの膜状構造物メーカーの太陽工業(東京都世田谷区)は9月3日、基材に樹脂とアルミの複合材を使い、従来の約半分に軽量化した太陽光パネル「T-Light Solar」を発表した。岐阜プラスチック工業(岐阜県岐阜市)と共同開発した。

 従来の太陽光パネルは、ガラス製の基材、アルミ製のフレームを使って補強されている。これに対して、今回のパネルでは、正六角柱を隙間なく並べたハニカム構造の樹脂に、薄厚のアルミ板を貼り合わせた複合材を基材に使った。

 この複合材のアルミ板の表面に、多結晶シリコン型の太陽電池セルと保護用フィルムを貼り合わせて、パネルを形成する。アルミ板が、基材とフレームの両方の役割を兼ね備えることから、フレームが不要になったという。

 基材の軽量化とフレームが不要という両方の効果によって、多結晶シリコン型太陽光パネルの重量を、従来の約12~15 kg/m2に対して約7kg/m2と、約41~53%軽量化した。

 また、既存の太陽光パネルに対して、剛性の特性に優れている上、太陽光パネルの取り付け位置の制約が少なることから、架台に要求される負荷や制約が減るという。これによって、架台の軽量化や低コスト化が可能になる。

 パネルの軽量化によって、従来の結晶シリコン型パネルでは、荷重の条件を満たすことができず、設置をあきらめざるを得なかった屋根にも、設置の可能性が広がる。

 こうした屋根として、例えば、工場などで多く使われているスレート屋根(石質の薄い板状の屋根)への設置が広がるとみている。

 T-Light Solarは、最大出力が147W、寸法は1300mm×1000mm、厚さが14mm、重量は約9.1kg。2014年内に本格販売を開始する。