TRIO 27.6kWの外観(出所:ABB)
TRIO 27.6kWの外観(出所:ABB)
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 スイスABBは8月25日、太陽光パネルを2カ所に分けて設置するような、分散型の太陽光発電所向けのパワーコンディショナー(PCS)「TRIO 27.6kW」を発売すると発表した。

 主なターゲットは、出力50k~300kWの小・中規模の太陽光発電所。同社によると、日本におけるこうした規模の太陽光発電所では、土地の形状や立地などの条件によって、日射条件が異なる場所に、太陽光パネルを分散して設置する例が増えているという。

 TRIO 27.6kWは、これに対して、二つのユニットそれぞれによるMPPT制御(最大電力点追従制御)を実現することで、発電所全体の効率を高められるようにした。MPPT制御とは、太陽光パネルの出力に応じて、最大の電力量になるように電流と電圧を最適化する制御で、日射量や温度によって最適なポイントが異なってくる。

 日射条件が異なる二つの場所に太陽光パネルを設置しても、それぞれの場所のパネルに最適なMPPT制御によって、発電量をより増やせるという。

 太陽光パネルからの直流電力の入力は、ABBの他のPCSと同様に、1000V対応とした。太陽光発電システムを1000Vで構成することで、接続箱や接続ケーブルなどの数を減らし、発電所全体を低コスト化できる。設置時に重機が不要なことも、施工コストの低減に寄与できるという。

 変換効率は98.2%で、「IP65」に準拠した防水構造、塩害対応のほか、フィルムコンデンサや自然空冷方式の採用によって長寿命化したという。メンテナンスはほぼフリーとし、標準で10年間、最大で20年間の製品保証サービスを提供する。

 TRIO 27.6kWは、海外ですでに10万台以上設置した実績がある。今回、発売するのは、日本の送電網への連系に必要な対応を施したもので、9月1日から販売を開始する。