厚木市役所で開いた締結式。左から大泉政治・神奈川電力代表取締役、小林常良・厚木市長、上谷内祐二・オリックス理事(出所:厚木市)
厚木市役所で開いた締結式。左から大泉政治・神奈川電力代表取締役、小林常良・厚木市長、上谷内祐二・オリックス理事(出所:厚木市)
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 神奈川県厚木市は8月22日、同市とオーイズミ子会社の神奈川電力(神奈川県厚木市)、オリックスの三者が、「太陽光発電所と連携した公共施設のクリーン電力化(地産地消モデル)に関する協定」を締結した、と発表した。厚木市内に稼働する神奈川電力のメガソーラー(大規模太陽光発電所)で発電した電力を、オリックスを通じて厚木市の公共施設で活用する。

 同市は、再生可能エネルギーの普及を促進するため、2013年に神奈川電力のメガソーラーを誘致した(関連記事)。ただ、メガソーラーの電力を自治体が直接、購入して使用できないため、新電力(PPS)であるオリックスがメガソーラーの電力を買い取り、厚木市がオリックスからその電力を購入し、市内15公民館で使用する。厚木市内に発電所や発電事業会社があることによる税収など直接的な地域還元のほか、年間約150万円の電気代の削減効果を見込めるという。自治体、発電事業者、新電力などが連携した、エネルギーの地産地消モデルとしては、群馬県の中之条町などの例がある。

 市役所で開かれた同協定の締結式で、小林常良市長は「三位一体となった画期的な取り組みだと自負している。今後もクリーン電力の地産地消を進めていきたい」。神奈川電力の大泉政治代表取締役は、「今週末には2期目のメガソーラーが開所し最大出力は約4MWになる。その電力の一部を地域で使ってもらえることは本当にうれしい」。オリックスの上谷内祐二理事は、「東日本大震災以降エネルギーへの関心が高まっている中、地域でつくったエネルギーを地域で使うという新しいモデルをつくる意義は大きい」などと述べた。

 同市は今年3月、再生可能エネルギーの活用を検討した「あつぎ元気地域エネルギー構想実行計画」を策定した。「創エネ」、「省エネ」、「蓄エネ」を柱に環境先進都市の実現を目指した取り組みを進めている。