決算発表会見で決算やTeslaとの事業について説明する河井英明氏
決算発表会見で決算やTeslaとの事業について説明する河井英明氏
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 パナソニックの2014年度第1四半期(4~6月)決算は、売上高が前年同期比2%増の1兆8523億円、営業利益が同28%増の823億円だった(発表資料1)。住宅や車載関連の売り上げが伸びたことに加えて、固定費圧縮の効果が出て増益になった。「想定を上回る順調な滑り出し」(代表取締役専務の河井英明氏)という。

 事業別には「アプライアンス」「エコソリューションズ」「AVCネットワークス」「オートモーティブ&インダストリアルシステムズ」(AIS)の4事業すべてで、小幅ながら前年同期の売り上げを上回った。地域別には欧州を除く全地域で増収。欧州はウクライナの政情不安により、同国や周辺国での売り上げが落ち込んだ。

 同社が「課題事業」と位置付けるテレビ事業は、売上高が前年同期比8%減の1151億円と縮小したものの、営業損益は10億円で2013年度第3四半期以来の黒字に転じた。国内市場は、2014年3月までの増税前の駆け込み需要で流通在庫が減ったため、4月以降の出荷が伸びた。また、市場シェアも拡大したという。

 液晶パネル事業は業務用が好調で、売上高は前年同期比32%増の161億円。営業損失は前年同期の65億円から改善して50億円となった。液晶パネル事業はテレビへの依存度を下げ、産業用や車載用にシフトを進めることで、収益の改善を目指している。

 半導体事業は売上高が前年同期比3%減の435億円、営業損失は前年同期の38億円から悪化して53億円になった。車載・産業分野向けは堅調だったものの、AV機器やICT機器向けの売り上げが減ったという。

 なお、パナソニックは富士通らとファブレスの半導体会社を立ち上げ、SoC事業を新会社に統合することを発表していたが、2014年7月31日、正式契約を締結した(発表資料2)。議決権比率は富士通が40%、パナソニックが20%、日本政策投資銀行が40%。年間売上高は2013年度実績の単純合算で約1500億円。従業員数は約2800人になる見込み。2014年度第4四半期に営業開始の予定だ。