ワイヤレス監視システムの外観(出所:太陽誘電)
ワイヤレス監視システムの外観(出所:太陽誘電)
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 太陽誘電は7月29日、外部の電源や通信ケーブルを不要にしたストリング監視システムを製品化したと発表した。電源には太陽光発電、通信には無線を使う。

 ストリング監視システムは、大規模な太陽光発電所において、万単位の枚数の太陽光パネルの中から、トラブルを生じた可能性のあるパネルを効率的に発見するために使う。

 パワーコンディショナー(PCS)の単位では発見しにくい個別のパネルの出力低下などを、太陽光パネルを直列に十数枚接続したストリング単位で発電状況を計測、監視することで容易に発見できるようにする。

 一般的なストリング監視システムに使う計測・通信用の機器では、外部の電源と通信用のケーブルが必要となる。これに対して、外部の電源、接続ケーブルともに不要とした。電池交換の必要がない上、配線工事も不要のため、施工コストを削減できるという。

 太陽誘電の電源回路技術と無線モジュール技術を組み合わせ、太陽光発電所のストリング監視システムを、無線センサーネットワークを使って構築する。通信親機であるマネジメントユニットと通信子機であるストリングセンサユニットで構成した。

 無線通信に必要な電力を省力化し、ストリングセンサユニットの消費電力を最大500mWなどに抑えたことから、太陽光パネルで発電した電力だけで駆動でき、電池不要を実現した。

 バイテックなどが運営する複数の太陽光発電所での実証試験を終えて製品化し、8月から子会社の赤城電子(群馬県高崎市)で量産を開始する。

■変更履歴
公開当初、画像の説明が誤っていました。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2014/8/1 14:00]