世界を熱狂させたサッカーのワールドカップ(W杯)ブラジル大会が日本時間の今日、7月14日(ブラジル現地時間の13日)に終わった。この大会は世界各国・地域に向けたテレビ(TV)出荷にも影響を与えた。

劇的に回復したブラジルの液晶テレビ出荷

 2014年第1四半期の出荷台数を見ると、開催国ブラジル向けでは、液晶テレビが前年同期に比べて51%増と急拡大した。また、プラズマテレビ出荷台数も同270%増を記録した。ワールドカップ商戦向けにテレビ需要が高まることを見越した小売業者が、在庫を積み上げた結果である。2014年第1四半期のブラジル向けTV出荷台数は330万台で、対前年同期の210万台から大きく成長したことが、NPD DisplaySearch発刊の「季刊 世界TV出荷調査レポート」で明らかになった。

 大手ブランド、特に韓国のブランド会社はワールドカップによるテレビ需要増に対応すべく、今年(2014年)は特に上半期に出荷台数を増やしている。しかし、ワールドカップ後の実際の販売結果と在庫状況次第では7月以降に調整が入る可能性があり、注意深く推移を見守る必要がある。

 一般的に、スポーツイベントはテレビ販売にはさほど影響を与えないものである。しかし、ブラジルにとって今年のワールドカップは自国がホスト国であり、さすがに需要を高い水準に押し上げている。ブラジルでは過去にもこうしたスポーツイベント、特にサッカーのワールドカップでテレビ需要が伸びていることを我々は確認している。

 ワールドカップ以外に需要拡大に貢献している要因として、手持ちのブラウン管テレビの買い替え、HDTV放送のサービス範囲の拡大、またワールドカップという販促機会を最大限に活用しようとするテレビブランドの強力なプッシュ、などが挙げられる。ブラジルでは2014年第1四半期、低成長だった前年に比べて液晶テレビの出荷が劇的に回復した。事実、ブラジルの第1四半期の液晶テレビ出荷台数の成長率は、他のどの国や地域と比べても2倍以上という高い数値を示している。