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 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、太陽光発電の大量導入時代に備えて、新たなプロジェクトを開始すると発表した。大きく3つのプロジェクトに分かれており、全体で21のテーマがある。今後、契約手続きが終わったテーマから開発を始動する。契約期間はテーマによって異なり、おおよそ1~3年程度になる。

 プロジェクトは、(1)「太陽光発電システム効率向上・維持管理技術開発プロジェクト」、(2)「太陽光発電多用途化実証プロジェクト」、(3)「太陽光発電リサイクル技術開発プロジェクト」の3つ。

 このうち(1)の太陽光発電システム効率向上・維持管理技術開発プロジェクトでは、太陽光発電の発電コスト低減に向けて、コストの過半数を占めるシステムの低コスト化を図る。例えば太陽光発電技術研究組合の「次世代長寿命・高効率パワーコンディショナの開発」では、住宅用パワーコンディショナの設計寿命を既存の2倍となる30年に延ばすことを目指す。

 (2)の太陽光発電多用途化実証プロジェクトでは、太陽光発電施設を設置する場所が少なくなることを念頭に、建物の壁面や農業関連施設、傾斜地、水上の4分野への導入拡大を目指す。また、発電以外の機能や用途を付加した太陽光発電システムを開発して実証する。例えばカネカは、「熱電ハイブリッド集光システム技術の開発」を手掛ける。

 (3)の太陽光発電リサイクル技術開発プロジェクトでは、低コストのリサイクル処理技術の開発や、有価物の回収率向上と高純度化の技術を開発する。例えばエヌ・ピー・シーの「可溶化法を用いた使用済み太陽電池からの資源回収技術の開発」では、封止材のEVAとガラスを加熱カッターにより分離する技術や、EVAを溶解する技術、回収金属の高純度化技術を組み合わせた分解処理技術を開発する