登壇した北野氏
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ヘルスケア事業の業績推移の計画
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競合他社との比較
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ヘルスケアIT事業の売り上げ計画
ヘルスケアIT事業の売り上げ計画
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病院向けソリューションにも注力
病院向けソリューションにも注力
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治療機器事業の売り上げ計画
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粒子線治療装置などに力を入れる
粒子線治療装置などに力を入れる
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診断機器事業の売り上げ計画
診断機器事業の売り上げ計画
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 日立製作所 執行役専務 ヘルスケアグループ長 ヘルスケア社社長の北野昌宏氏は2014年6月12日の「Hitachi IR Day 2014」に登壇し、ヘルスケア事業の戦略を説明した。同事業を手掛ける競合他社に比べて「決して強いとはいえないが、日立の力を合わせて加速的に伸ばしていく」という。

 日立製作所は2014年4月1日付で、ヘルスケアグループとヘルスケア社を新設。これまで複数の事業グループに分散していた関連リソースを統合した。同年3月24日には、ヘルスケア事業の2018年度の売上高を2013年度(3267億円)の2倍近い6000億円に高めることを骨子とした、同事業の方針を発表している(関連記事1)。

 日立は今後、「予防・検診」「検査・診断」「治療」「予後」というケアサイクル全体に対して、ITと医療技術を提供していく。エネルギーやロジスティクス、ファイナンス、病院といったヘルスケアを支えるインフラの領域にも、日立グループのノウハウで貢献できると北野氏は話した。

 同社はヘルスケア分野のニーズを「医療費最適化」「先進医療」「病院・地域医療の質向上」と定義。これらに向けて、(1)ヘルスケアIT、(2)病院・地域医療ソリューション、(3)治療機器、(4)診断機器、の4分野に力を入れる。2013年度実績では、ヘルスケア事業の売上高3267億円の77%を診断機器、17%をヘルスケアIT、6%を治療機器が占めている。

 (1)のヘルスケアITでは今後、ストレージを主力とする「データプラットフォームサービス」や保険者向けの「(疾病)予防サービス」に力を入れる。特に、ヘルスケア分野向けのストレージには活発な引き合いがあるといい、「データを蓄積し、解析へつなげるプラットフォームの提供が鍵になる」(北野氏)とした。予防サービスについては、BMIや血糖値などのデータに潜むパターンや規則性を考慮し、生活習慣病の発生率と医療費を予測する技術などを紹介した(関連記事2)。

 ヘルスケアIT事業の売上高は、2013年度実績で567億円。これを2015年度までにCAGR(年平均成長率)11.1%で成長させ、同年度に700億円を達成する計画だ。

 (2)の病院・地域医療ソリューションでは、エンジニアリング/オペレーション/ファイナンス/ITシステムのトータルソリューションを病院や地域に提供していく。病院のエネルギー供給と施設運用管理のパッケージ型サービスなども計画している。