発売したVscan Dual Probe
発売したVscan Dual Probe
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 GEヘルスケア・ジャパンは、ポケット型超音波診断装置の新製品「Vscan Dual Probe」を2014年6月9日に発売した(リリース)。1本のプローブの両端に深部臓器と表在臓器のそれぞれを描出できる二つの探触子を搭載した、2 in 1方式のプローブを採用する。同方式のプローブを採用した超音波診断装置は業界初という。

 Vscan Dual Probeは、ポケット型超音波診断装置「Vscan 1.2」の上位機種。深部臓器に加え、表在臓器も描出できるプローブを搭載することで、頚部や四肢血管など皮膚表面から深さ2~3cmの臓器を描出できるようにした。表在臓器用プローブには、3.4~8.0MHzの高周波電子リニアプローブを採用。これにより、表在血管や前立腺、甲状腺、肺エコー(気胸)などを描出可能としている。本体の大きさや形状はVscan 1.2と同じで、3.5型ディスプレーを備える。重量は436gと、Vscan1.2に比べて46g重い。

 今回、深部臓器用と表在臓器用のプローブを1本にまとめたことで、診察中のプローブの置き換えや付け替えの手間を省けるようにした。これにより、在宅や救急、災害などの現場で診療時間を節約するとともに、プローブの紛失・取り落としなどを防げるという。

 従来、2本のプローブをつなぐ小型プローブコネクタは研究されてきたものの、Vscanのような超小型の装置に対応することは難しかった。今回は2つの探触子を小さな1本のプローブに収めるために、高級機に採用している4Dプローブ技術を応用するとともに、新素材を採用するなどした。

 Vscanは2010年7月の発売以来、2014年5月末までに国内で2700台を超える販売実績があるという。Vscan Dual Probeの小売希望価格は98万円(税別)。発売初年度に国内で500台の販売を目指す。