歩行練習アシスト
歩行練習アシスト
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歩行練習アシスト(脚部装着部)
歩行練習アシスト(脚部装着部)
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バランス練習アシスト
バランス練習アシスト
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バランス練習アシスト(搭乗部分)
バランス練習アシスト(搭乗部分)
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 トヨタ自動車は、歩行などのリハビリテーション支援を目的としたロボットの臨床研究用モデルを開発した(リリース)。同社が2011年に開発した介護・医療支援領域のパートナーロボットである「歩行練習アシスト」と「バランス練習アシスト」をそれぞれ改良したもの。早期実用化に向けて、2014年秋からはそれぞれ20拠点の医療機関に有償で提供し、臨床研究に使えるようにする。

 トヨタは2007年末から、今回の臨床研究モデルの開発を藤田保健衛生大学と共同で進めてきた。2011年からは医療機関の協力のもとで実証実験を行ってきた。運動学習理論に基づくトレーニング機能の適正化や、ロボットの装着方法の簡易化などの改良を施してきたという。これにより、リハビリテーション現場での使い勝手を向上させた。

 「歩行練習アシスト」は、下肢麻痺で歩行が不自由な人が自然な歩行を習得できるように、リハビリ初期段階から支援するロボットである。麻痺した脚に装着することにより、脚を前方に振り出す動作や膝を伸ばして体重を支える動作をアシストする。今回の改良では、脚部装着部分を吊り上げる機構を備え、練習者にかかるロボットの重量負荷を低減したり、練習者の回復度合いに合わせてロボットからのアシスト量を変更したりできるようにした。関節の角度などの歩行データをモニタリングし、歩行の状態を音や画像で練習者にリアルタイムで知らせる機能も追加した。

 「バランス練習アシスト」は、バランス確保が不自由な人が、ゲーム感覚で楽しくリハビリを継続できるように支援するロボット。同社の立ち乗り型移動支援ロボット「Winglet」の倒立二輪技術を活用し、練習者の前後左右の体重移動がゲームの中のキャラクターと連動するようにしている。今回の改良では、重心移動練習(前後左右)と重心保持練習ができる3種類のゲームを設定し、練習者とゲームキャラクターの動作の連動性を向上させた。練習者のバランス機能の回復度合いに合わせて、練習難易度を自動的に設定できる。

 トヨタは今回開発した臨床研究用モデルを「第51回 日本リハビリテーション医学会学術集会」(2014年6月5~7日、名古屋国際会議場)に出展する。